ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!第11号のテーマは「あつい!」
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 第11号* (冊子印刷用PDFファイル 1226KB)
05 熱い
『炎の中の図書館』 スーザン・オーリアン/著 羽田詩津子/訳 早川書房 2019.11
1986年4月29日、ロサンゼルス中央図書館で起きた火災を取り上げたノンフィクションの作品です。
7時間以上燃え、館内の室温が1100度に達したというこの火事を、関わった多くの人が証言しています。当日の臨場感ある表現には、高温で焼かれた100万冊あまりの本たちの「熱い!」という悲鳴が聞こえてくるようです。
また、図書館を使う人、図書館で働く人、図書館を支援する人…、図書館をめぐる個性的な人々の「熱意」も感じられますよ。
(刈谷市中央図書館 hk)
『国銅』 帚木蓬生/著 早川書房 2003.6
誰でも一度は目にする奈良の大仏。歴史の授業等で、その政治的歴史的背景は広く知られている。
しかし、大仏を造ったのは聖武天皇や貴族・僧侶ではない。名も無き庶民なのだ。遥か遠方からの銅の産出から始まり、加工(中国地方)数ヵ月かけての海路運搬。そして都での大仏造り。そのすべてが死と隣り合わせなのだ。しかし、その過酷な作業の中でも、人々の胸の中には、熱い情熱、信念、希望がもえている。そして何よりも大仏造営は熱い炎との闘いでもあるのだ。
読後は必ず大仏に会いに行きたくなるだろう。
(刈谷市中央図書館 みーちゃん)