ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!第5号のテーマは「働く!」
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 第5号* (冊子印刷用PDFファイル 1,665KB)
01 ワーキングボーイ・ワーキングガール
父親の失踪、それに続く母親の出奔。ひとり取り残され高校を中退した17歳の走[そう]は、 陸上部のOBに誘われ、人力車をひいて東京・浅草の街を観光案内する「車夫」の仕事をすることになった。 走る車夫やその人力車に乗った客、周囲の人々の心の動きを描いた連作短編集。 何もかもをなくし、最初は必要にせまられて働き始めた走が、 仕事を通して成長し、周りの人と支えあえるようになっていく姿がかっこいい!
続編の2巻も出ているよ!
友だちの代わりに1か月だけ新聞配達をすることになったぼく。 きつ音症のせいでどもってしまうから、金曜日の集金のことを考えるだけで胸が苦しくなってしまう。 そんなぼくの前に美しいワージントンさんの奥さんや、彼の話をまっすぐにきいてくれるちょっと不思議なスピロさんがあらわれた。 黄色いナイフのせいでまきおこった事件もまじえて、ぼくのひと夏が語られていく。
友達の代わりに、一か月間配達をすることになった主人公の少年。
吃音のせいで話すことが苦手な彼は、仕事を通して人と出会い、関わり、成長していきます。
何のために働くのか? もちろん得るものはお金だけじゃない。
時には自分の生き方をも変えてしまうようなことだってあるのです。
爽やかな後味の一冊。
主人公のコリーは、13歳で一度も会ったことのない相手と結婚させられる。 現代インドの社会を映した物語。辛い毎日でもくじけず誰を恨むこともない。 今の日本では信じられないほどひどい日常の中にいても「あたしたちの結婚も それほど悪いものじゃないかもしれないと思えてきた」と言えるコリーの強さとしなやかさには驚かされ 勇気づけられる。出てくる地名も街の設定も実在のものだそうです。
こんな法律があったら君はどうする? 選挙に勝った「健全健康党」は「チョコレート売買の禁止」を発令し、 甘いお菓子を食べることを禁止した。どうしてもチョコレートを食べたい主人公2人は、同意見の大人に作り方を教えてもらい、 密造し、地下でチョコバーを始めた。そして、党との戦いへと発展していく。 彼らの働きは痛快で勇気をもらえる。分厚い本だけど、大変面白いので、あきらめずに読んでほしい! 読んだ後の達成感も味わえるよ!
『チョコレート・アンダーグラウンド
〜ぼくらのチョコレート戦争〜』という劇場版オリジナル・アニメや漫画にもなっているよ!
16歳の高校生、ジョナは、靴屋で楽しくアルバイトをしていました。
ジョナは靴を知り尽くし、天才的なセンスで、瞬く間に靴を売っていきます。
ジョナにとって、ものを売るということは、優秀なセールスマンだった父との思い出であり、
父とのつながりを感じられる手段です。
その父は、アルコール中毒になって、母と離婚したあとも、酔っ払って電話をかけてきたり、ジョナを苦しめます。
家族を守るため、ジョナは父と距離を置かなければ…。
ちょうどそのとき、靴屋の老練な女社長が、ジョナの才能にほれこみ、ドライバー兼アシスタントとして大抜擢!
アメリカの各店舗をまわりながら、時にはスパイのように店の様子を観察し、目指す先は、
副社長の陰謀うずまく株主総会へ!
1936年、6歳のぼくは、母と妹のアン・マリーと、オールバニーのパールストリートに越してきた。
長く不在だった父と暮らすために。しかし約束の日、父は現れなかった。そしてその日から、見知らぬスラム、
パールストリートでの三人の生活がはじまる。
6歳にして、病弱でエキセントリックな母の片腕となった「ぼく」は、生活のために夏休み毎日芝刈りをし、
早朝からの新聞配達など、働きに働くのである。
「ぼく」の目を通して、スラムの人々の暮らしや、当時のラジオ、音楽、遊びなどのアメリカ文化、
また市民が体験した第二次世界大戦を色濃く言葉に映した作品でもある。
とにかく少年の家族を守る愛と成長がすごい!!
1800年代のアメリカ、まだ、交通は馬車に頼っていた時代の話。
両親を亡くし、孤児院で育った一人の女の子シャーロットは、とにかく馬が好きで、馬に乗ることはもちろん、
厩務員[きゅうむいん]の手伝いをしているうちになんでもこなすことができるほどになっていった。
シャーロットは、光が見えない孤児院での生活から逃げ出し、いつか牧場を持ち自分の家に住むという夢をかなえるために、
男になりすまし、御者として働いた。女が働くことが許されなかったこの時代に、困難を乗り越え夢をかなえた女性
シャーロット・ダーキー・パーク・ハーストの実話をもとにした話。
高校2年生の千谷一也は素性を明かさず小説家をしている。作品がなかなか思うように売れず、何を書きたいのか、
どうしたいのかもわからなくなり、鬱々とした日々を過ごしていた。そんなとき、転入生がやってくる。
すらりと伸びた手足、長い黒髪、精緻で研ぎ澄まされた刃物のような美しさを持つ美人転入生、小余綾詩凪。
実は彼女も作家だった。しかも彼女は“小説の神様”が見えると言う…。
作家さんが苦しみながら、想いをいっぱい詰めながら、生み出されていく小説。心して読もうと改めて感じました。