ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!第5号のテーマは「働く!」
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 第5号* (冊子印刷用PDFファイル 1,665KB)
02 大人だって!
105人のしごとは金曜日の夜、8時30分に町のまん中にある大きな音楽ホールではじまります。
さあ、かれらはどんな準備をするのでしょう? シャワーを浴び、ひげを剃ったり、髪をととのえたり、下着をつけて最後に服を着ます。
それぞれの表情やポーズに思わずニヤリ。心をあわせて最高の音楽を奏でる楽団員にも仕事に行く前にはこんなリラックスした時間が
あるのかと思うととても身近に思えてきます。
(20年ほど前に岩谷時子の訳で出版された同じ本があります。タイトルは『オーケストラの105人』〔すえもりブックス〕、
読み比べてみるのも楽しいですよ。)
ごみ焼却場のある町を舞台に新任の先生が、問題を抱える子どもたちとぶつかり合いながら絆を深めていく物語。
若い先生のとまどいや苦悩が、教育の難しさ、理想と現実の差を感じさせますが、個性豊かな同僚や子どもたちの中で成長していく姿は
感動的です。だれかのために何かをするということを考えさせられる一冊です。
初版は1974年(理論社)。
ドラマ化や映画化もされている名作です。
学校内で給食を作る自校給食に力を入れている若竹小学校に、新しい「給食のおにいさん」佐々目宗がやって来た。 自分の腕に自信を持っている佐々目だったが、大量の食事をタイミングよく作らなければいけない給食調理の仕事に悪戦苦闘。 さらにそれぞれの事情を抱えた子どもたちに接するうちに、佐々目は料理の大切さを思い出していく。 この中のメニューでは、私はくじびきハンバーグを食べてみたいです。
自分の店を火事で失ってしまった、調理師・佐々目宗。生活費を稼ぐため、仕方なく学校の給食調理員として働くことに。
子ども嫌いの佐々目は、家でごはんが出ない子、太ってしまった人気子役、保健室登校やアレルギー持ちの子ども相手に奮闘する。
昔、料理の素晴らしさを教えてくれた祖母の言葉を思い出しながら。
決められたカロリーと限られた予算の中で大量調理をする、壮絶な学校給食の裏側が読めますよ!
この後、シリーズは「進級」、「卒業」、「受験」、
「浪人」と続いて、5巻まで出ているよ!
辞書編集部に移動した馬締[まじめ]は「大渡海」の編集を始める。個性的すぎる仲間たちの中で、馬締は辞書の世界に没頭する。
しかし、問題だらけの辞書編集部、果たして「大渡海」は編み上がるのか?
編集部の面々の人間模様はもちろん気になりますが、辞書ってこんなにたくさんの人たちが、長い年月をかけて作っている!
というところも注目です。普段、何気なく使っている辞書にも、できるまでにはいろんな物語があることを実感する一冊です。
映画化、アニメ化、漫画化もされている
「2012年本屋大賞」作品です。
大学卒業を間近に控え、就職がなかなか決まらず落ち込んでいたサトシの前にアロハシャツを着た男が現れ、
気付くとサトシは天国にある本屋にいた。アロハシャツの男に店長代理を押し付けられ、なぜか働くことに。
同僚は緑色の目をした、ぶっきらぼうな店員ユイ。渋々働くサトシだったが、読み聞かせを通してお客さんが笑顔になるのを見て、
生きがいを感じるようになる…。
『本は人に力を与える』、それを実感する作品です。心が疲れたとき、元気がないときにオススメです。
シリーズは全4巻。
続編として「うつしいろのゆめ」「恋火」「あの夏を泳ぐ」…と出ていますが、それぞれ違う主人公のお話です。
この本に3巻目の「恋火」を加えて『天国の本屋〜恋火』という映画にもなっているよ!
トンデモ精神(神経)科医・伊良部一郎の元には、今日も困った患者がやってくる。
不眠症のサーカス団員や一塁に送球できないプロ野球選手、吐き気に悩まされる小説家など。
患者はみな仕事に支障が出たことから、通院を決意しています。実生活との兼ね合い、仕事へのプライド…。
働くこととは自分と向き合うということなのかもしれません。他人の気持ちが少しだけ覗ける名作短篇集。
悩めるあなたもヒントを探しに、伊良部総合病院地下の精神(神経)科へ「いらっしゃーい」。
この本は、
「精神科医・伊良部シリーズ」の2巻目です。ドラマ化、アニメ化に、舞台化、オーディオドラマ化も?!
1巻目の『イン・ザ・プール』も単独で映画化されていますが、『Dr.伊良部』のように、3巻目の『町長選挙』も含めて、
全3巻をまとめてドラマ化・漫画化したものもあるよ!
“D機関”それは異能の精鋭たちが集う極秘で設立されたスパイ養成学校…。
第二次世界大戦に向かい日本の「自決することが兵士の美徳」という考え方とは正反対の「死ぬな。殺すな。とらわれるな。」の考え方を
叩き込まれたスパイたちが、敵国で暗躍する。窮地に追い込まれたスパイが切り抜けるためにとった意外な行動とは?!
1話が完結している短編集なので通学中でもすらすら読めると思います。でも、読み始めたら止まらなくなる可能性もあるので、
テスト期間中はオススメできません(笑)。
ジョーカー・ゲーム
(D機関シリーズ)は、この後『ダブル・ジョーカー』、『パラダイス・ロスト』、『ラスト・ワルツ』と続きます。
映画化やアニメ化、漫画化もされているよ!