ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
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愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!第12号のテーマは「推し!」
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 第12号* (冊子印刷用PDFファイル 2775KB)
04 推しを究める
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変形菌とは、その名の通り、姿を変える生き物のこと。アメーバのように広がったり、つやつやのきれいな玉になったり、胞子になって空中を飛んだり。著者の真那くん(出版当時なんと16歳!)はそんな変形菌を激推し。外で観察するだけでなく、家でもたくさんの変形菌と暮らし、研究を続けています。流行や周りの目が気になるという人はこの本を読んでみて!自分の好きなものにまっすぐ向き合う勇気をもらえます。
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SNSで話題になったオランダのアザラシ保護施設、通称「アザラシ幼稚園」。施設にいるアザラシたちの様子がライブ配信で見られ、とても癒されると評判になりました。実は日本にも北海道紋別市にアザラシの保護施設があり、著者はそこで働く職員。幼い頃にアザラシのぬいぐるみを手にしてから、すっかりアザラシの虜に。「好き」の気持ちが強すぎて、動物病院の獣医師を経て、ついにアザラシ保護施設の飼育員になりました。本書は著者が飼育員になるまでのいきさつと、アザラシの生態や保護活動の様子などを紹介。“アザラシ愛”がぎゅ〜っとつまった一冊。いかがですか?
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昆虫毒を専門とした生物学者の体験をもとに書かれた本です。ハチ・アリ類の毒液と刺す行動の謎についてより深く知ろうと、世界をまたにかけたエピソードはスリリングで面白いです。痛みにもだえ苦しみながら調査する姿は、昆虫への底知れない愛を感じます。ひょっとすると研究って推し活にかなり近いのかも?刺された時の感じと痛さのレベルを表した巻末の付録は必見!痛みの表現が独特で、著者の人柄までうかがえます。
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九州新幹線「つばめ」のデザインをした水戸岡鋭治さんの自伝です。水戸岡さんの作品には見た目の美しさだけではなく、汚れの目立ちにくさや使い勝手など実用性のある理由がちゃんとあります。使う人のことを考え抜いたデザイン。心惹かれる理由はそこにあるのかもしれません。
水戸岡さんのように「好き」を仕事にできる人ばかりではありませんが、働くことのヒントがいっぱい詰まった本なので、デザインに興味がある人はもちろん、進路に悩むあなたにも。