ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
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愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!第12号のテーマは「推し!」
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 第12号* (冊子印刷用PDFファイル 2775KB)
02 推し作家
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ヤマザキマリさんのお母様は、女手ひとつで娘2人を連れて、東京から北海道に移住。「大自然と旅、そして書物が娘を育むための大事な要素だ」と早いうちに気づく。娘へのプレゼントはいつも本。14歳で欧州へのひとり旅。その後の山あり谷あり旅ありの人生。自分の並の人生とは、スケールが違いすぎて比べ様もなく驚く。影響を受けた数々の本の紹介とともに、歩んできた道、その時々に考えてきた様々なことが盛りだくさん語られている。大切なことは何か、思わずうなる。
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本の挿絵が作品のイメージにぴったりだと、楽しさが倍増しますね。私の推しは、挿絵画家の田村セツコさんです。子供のころ大好きだった「おちゃめなふたご」シリーズは、今でも田村セツコさんのイラスト通りの女の子たちが動いている想像しかできません!私の中高校生の娘たちも「かわいい」と言う、古くならないセンスに脱帽です。著書を読むと、こんなキュートなお人柄だからこそ、すてきな絵が描けるんだなぁとわかりますよ。
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私の推しは、刀根里衣さんの描く絵本です。どの作品も絵がとてもかわいくてきれい!見ているだけで心がほんわかしてきます。刀根里衣さんの作品のファンになったきっかけが、この「おもいで星がかがやくとき」です。突然いなくなってしまった大切な人がお星さまになったと聞き、その星を探しにいく、ねずみのピナの物語。大切な人を亡くした悲しみや周りの人のあたたかさが、とても切なく思わず胸がぎゅっとなります。ページをめくるたび感動しますよ。
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私の推しのお笑い芸人、オードリー若林正恭さんのエッセイ本です。彼の幼少期から現在までの悩みや葛藤など、様々なエピソードが短編になって書かれています。タイトル通り、物事を他人とは違う「ナナメ」の視点から見てきた若林さんの独自の世界観にとても引き込まれます。中でも、「2009年とぼくと」というエピソードは、小説のような表現で書かれており、読み終わった後に清々しい気持ちになれるオススメの話です。自分の将来や日々の生活で悩んでいたり、行き詰まっているときに新しい視点を気付かせてくれる、そんな一冊です。
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双子の高校生・明日子と日々人の元にやってきた、いとこの今日子。彼女は30年前に火事で火傷を負いながらも奇跡的に生き延び、そのときのまま時間が止まっているという。30年前の女子高生ときいて構えていた明日子だが、話してみると普通の女子高生で、すぐになかよくなった二人。けれど今日子には、他人には言えないさらなる秘密があって…。
私の「推し」作家・一穂ミチさん初の一般向け作品で、直木賞に続く一穂さんの一般文芸の歴史はここから始まった(と個人的に思っています)。現役JKにも、今日子と同世代の90年代のJKにも、もちろんそれ以外の皆さんにも、ぜひぜひおすすめの1冊です。
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推しは、本多有香さん。極寒の中の1600kmにもわたる過酷な犬ぞりレースを12日間で完走する犬ぞり師です。旅先で出会った犬ぞりに感動した本多さんは、犬ぞりを学ぶため無給で働いたり、レースの資金を稼ぐためにバイトを掛け持ちしたり、電気も水道もない自作の小屋で犬の世話をしながら生活をしたりします。ご自身で書かれた実話で、厳しい状況であっても、好きなことをして自由に生きることの素晴らしさを教えてくれます。