ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!第10号のテーマは「せかい!〜戦争と平和、世界の国を知る〜」
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 第10号* (冊子印刷用PDFファイル 1212KB)
04 戦争と平和
世界を知るためには、まず、自分の世界を広げることが必要です。そして手っ取り早く自分の世界を広げるためにおすすめなのが、本を読むことです。
この本では22人の著者が、それぞれ「世界を平和にする」ための提案をしています。戦争を実体験した著者、していない著者、幅広い年代からの提案は、すぐに実行できるものから、人生をかけての壮大なものまであります。
この本の読者が自分なりの提案を考えることで、少しでも世界全体の平和につながることを願います。
医師・絵本作家・タレントなど様々な職業の22人が、14歳を想定した読者に世界を平和にする方法を提案する本。
一人当たり6ページ程なので読みやすい。納得できるもの、できないもの、面白いもの、難しいもの、いろいろなアイデアがある。世界平和に対して自分ができることなんかないと諦めている人に読んで欲しい。少なくとも、この本を読んでいる間は平和について考えることができるから。まずは考えよう。
ちいさな国とは、様々な民族が暮らすアフリカのブルンジ。
ブルンジで、フランス人の父とルワンダ難民の母との間に生まれたガブリエル。彼は少年時代アフリカの大自然の中で仲間たちと幸せな日々を送っていた。しかし、大統領の暗殺をきっかけに内戦が勃発。平穏な生活は音を立てて崩れてゆく…。
内戦による少年たちの対立、変わりゆく市街地の様子、そしてガブリエルの内面(恐怖が膨らむ心、恐怖にあらがう心)が生々しく描かれています。
アフリカの美しい風景、少年たちの無邪気な生活、そこに迫りくる内戦や民族差別、成長してゆくガブリエルの心の揺らぎに胸を激しく揺さぶられます。
キャットはカナダに住む女子高生。パパとママ、姉のジーニャそして祖父のダニーロと暮らしていましたが、彼女の日常は突然やってきた警察によって変わってしまいます。祖父にかけられたある容疑、それは“カナダへの市民権を得る際、戦争中にドイツ占領下の祖国ウクライナで市民警察として民間人に対する残虐行為を行ったことを隠していた。”ということでした。
長い年月が過ぎても未だ続く戦争の傷とそれと立ち向かう家族の物語です。
アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所、その過酷な環境下で、たった8冊の本を「図書館」として守り通した少女ディタが主人公の物語。
毎日隠し場所を変え、看守たちの監視を潜り抜けた彼女の目を通して、様々な立場の人々の姿が描かれます。
読んでいて辛い場面も多いですが、禁止された本を心の拠り所として生き抜いたディタの意志の強さに胸を打たれます。
ユダヤ人の著者がホロコーストを生き抜いた日々の記憶。戦争が始まったとき、彼女は5歳だった。
最後まで読み、そして考えてください。今、この瞬間も戦争に日々を奪われている子どもたちのことを。
読みやすい文章で直接心に響いてくる言葉が綴られているこの本をこの時代にぜひ読んでください。
軍人の息子ブルーノは、ベルリンから知らない土地へ引っ越してきて、友人もなく退屈な毎日を過ごしていた。探検に出かけたブルーノは、フェンス越しに縞模様のパジャマを着た少年と出会い、フェンスを挟んで交流を重ね友情が芽生えていく。しかし物語はやがて悲劇へと向かう。非情なホロコーストの時代が舞台で、ブルーノの純粋な心が悲しさを倍増させる。胸が苦しくなる作品だが、ぜひ読んで色々感じてほしい。国際平和を願わずにはいられない!
地球から火星へ向けて、アメリカ人、ロシア人、中国人が乗った3台のロケットが打ち上げられました。3人は仲が悪かったけれど、奇妙な風景の火星の夜に、寂しくなって「お母さん」とつぶやきます。そこで初めて、みんな同じ気持ちでいることに気がつき、仲良くなります。翌日、緑色の変な姿をした火星人が現れて、驚いた3人は火星人を倒そうとしますが…。
相手のことを理解して、共感することの大切さがわかる絵本です。
「これは、100年くらい前のお話です。そのころの戦争は、まだ人が手でうごかしていました」
飛行機乗りのそらいろ男爵がしたことは…なんと!!!
絵本なのであっという間に読めます。読後は拍手喝采!
どこかの国のあの方に送ってあげたい!
なにしろ、あの文豪トルストイの『戦争と平和』が出てくるんですから。
2014年「サン=テグジュペリ賞」(絵本部門)受賞。
地球のどこかで戦争が続いている。
私たちは平和を望む。
そのために、世界や社会のしくみをしっかり学んで生かすのも大切だ。また過ちを繰り返さないように歴史を学べば争いはなくせるのか。あなたにも私にも今すぐできることのひとつは、「いのる」ことではないだろうか。作者は、世界の紛争地を精力的に取材し、写真を撮り続けてきたフォトジャーナリスト。
世界中の「いのる」人々の写真もことばも心に響きます。