ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!第9号のテーマは「あいち!」
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 第9号* (冊子印刷用PDFファイル 1346KB)
03 この人も愛知!
著者が刈谷市内の高校に通学していたと知り、ロングセラーの作品を読んでみましたが、「大学入学くらいには読んでおきたかった!」と切実に思った本です。
初版は1986年に出されていますが、その内容に古さはほとんど感じません。
ちょっとした思い付きを記録し、寝かし、結びつけることによって、精度を高める方法が具体的に紹介されています。学業でのレポートや論文作成はもちろん、将来の仕事でも幅広く応用できること間違いなしです。
コンビの大久保佳代子さんとともに、バラエティ番組や田原市の元気大使としても活躍中の光浦靖子さんの仕事や毎日の生活をつづったエッセイ集。
かわいくてたまらない甥っ子・姪っ子との攻防や、日常の中で感じたことなどが光浦さんならではの視点で描かれています。
他人から見ると何でもない凪のようなことでも、光浦さんの手にかかると何だかじわじわと面白い。個人的には、良縁のご祈祷で行った神社でひいたおみくじの話が好きです。
中学3年生の修学旅行で広島を訪れた生徒たち。それぞれの事情や問題を抱えている、戦争を知らない「今」の子どもたちが、それぞれの立場で見て、感じて、考えた、ヒロシマの原爆が短編形式で描かれます。
自分たちと近い目線で描かれるからこそ、共感し心ゆさぶられる作品です。
今回ご紹介したのは「ワタシゴト14歳のひろしま」の2巻ですが、いきなり2巻から読んでも全く問題のない内容になっています。ぜひ手にとってみてください。
愛知県東海市出身の作者、中村文則さんの作品を一冊ご紹介します。
物語の主人公は、施設で育った「僕」。刑務官として勤務していたある日18歳で人を殺した未決死刑囚・山井の担当をすることになります。
山井と接する中で「僕」が抱える自殺した友人や大切な恩師との施設での記憶が混ざり合い、「僕」の中で何かが変わっていき…生きる者と死にゆく者をつなぐ最後の希望を描く物語です。
文庫版の巻末には、同じく芥川賞作家の又吉直樹さんの解説があります。
秘密のベールに包まれた巨大テーマパーク。
そのバックステージで働く新人バイトの3日間を描く青春成長小説。
これを読むとTDLに行きたくなるよー!
新人バイトの後藤君を通して、TDLでお仕事している気分になり、夢の世界(ディズニーランド)のシビアな現実を覗き見てみませんか?
続編『ミッキーマウスの憂鬱 ふたたび』も出たよ!
この本の副題、「君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ」。うんうん、好きな人の前って緊張するもんね、背景の写真も相まってエモいなぁ…ってあれ?息止めてるからじゃん!息を止めたら呼吸はできないに決まっている!…と言った感じで当たり前のことがおしゃれなポエムになっているのがこの本です。こんな面白いことを考えた作者、氏田さんはなんと愛知県出身。
どこか儚げで、でもくすっと笑って前を向ける、そんな一冊です。
2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英教授は、名古屋市のご出身です。残念ながら2021年にご逝去されました。
この本では、益川教授が青春時代を、ユーモアたっぷりの「益川節」で語っています。
「好き」や「楽しい」を追い続け、自分の進むべき道ではないと思ったら気持ちを切り替えて引き返す。簡単そうで、とても難しいことです。
世界が身近な今の時代を生きる皆さんにとって、本当に好きなものが何かを探るきっかけとなる一冊です。