ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!第9号のテーマは「あいち!」
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 第9号* (冊子印刷用PDFファイル 1346KB)
02 舞台が愛知!〜名古屋〜
学内でも有名な奇人女子高生・スガリさんは、愛知県内初の男性家庭科教諭の杏介を強引に誘って、読書感想部を立ち上げます。
名作文学をバッサリ切り捨てるスガリさんの感想文に、杏介は困惑気味。
そんなスガリさんの読書感想文が、愛知を舞台に巻き起こる事件を解決に導きます。また、スガリさん自身の謎も明らかになっていき……。
よく知っている愛知の方言や地名が頻出し、登場人物が身近に感じられる青春ミステリー小説です。
長野県から名古屋の高校に転校してきた謎の美少女須賀田綴(愛称 : スガリさん)が気弱な直山先生を顧問に迎えて1人で読書感想文部を立ち上げようとする話。スガリさんの書いてくる感想文はまさに斜め上で…つい読みながら「そこなの?!」とツッコミを入れたくなる。
そんな今回の読書感想文は「こころ・夏目漱石著」と「手袋を買いに・新美南吉著」(間に桃太郎/作者不明)スガリさんの斜め上の感想文で「こころ」は「本当は怖い話」に、「手袋を買いに」は「教訓物語」に印象が変わってしまうかも!思わず、登場作品を読み返したくなる作品。
中日ドラゴンズ球団設立80周年に出版されたドラゴンズをテーマとする小説集。
ドラゴンズファンである作家5人が主人公の人生とドラゴンズとの関わりをそれぞれの視点から様々なエピソードを織りこんで描いています。
作家が描くドラゴンズと選手への愛を感じながら、ドラゴンズファンの人もそうでない人も共感したり、泣き笑いしつつ楽しめる1冊です。
巻末の書評家大矢博子さんによる解説もオススメです。
名古屋駅西にある「喫茶ユトリロ」。
正面にはコーヒー豆がこぼれたカップや色褪せたカレーライスのサンプルが陳列されているレトロな喫茶店。モーニングの時間には常連客が次々とやってきます。喫茶店のオーナー夫妻の孫、鏡味(かがみ)龍(とおる)は、名古屋の大学に通うため下宿することになります。龍は店の常連客から奇妙なイタズラの相談を受け、謎に挑みます。
手羽先やカレーうどん、味噌おでんと名古屋めしが満載の名古屋ならではのミステリー、ご賞味あれ。
02 舞台が愛知!〜尾張〜
このコミックは、昭和時代の海部郡甚目寺町(現・あま市)が舞台となっており、作者の桐原いづみさんは、甚目寺出身の漫画家で、地元で漫画を描き続けていらっしゃいます。
有名な甚目寺観音や名鉄甚目寺駅、名鉄電車など、よく知っている場所が出てきて嬉しくなってきます。主人公の優子ちゃんが、家族や友達と色々関わり合いながら成長していく物語で、とても温かな気持ちになります。読んだ後は、ぜひ甚目寺に遊びにきてくださいね!
夏休みの間、祖母と生活することになった大学生の海斗。死んだ犬の豆蔵のリードを持つと、豆蔵の姿や、あの世とこの世の間でさまよう「ボーダー」たちの姿が見えてきます。そんな彼らがこの世にとどまっている理由を解き明かしていくお話です。
耳に(目に?)すんなり入ってくる訛りのおばあちゃんだなあと思ったら、著者は愛知県半田市出身の方でした。馴染みのある言葉でセリフが書かれていると、嬉しくなってしまいますね。
大泉洋さん主演の映画にもなった原作です。
本能寺の変後、信長亡き後、誰が家督を継ぐのか?
各々の武将達のかけ引き、だまし合い、知恵くらべ、心理戦等々…ユーモアたっぷりに会議はすすみます。
史実に基づいているので、歴史を知る上でも良書です。
立場が違えば善悪も入れ替わる。物語を立体的に観る面白さ、大切さも実感します。最後まで一気読みです。
ちなみに、リニューアルした清洲城もオススメですよ!
02 舞台が愛知!〜三河〜
花祭りで有名な奥三河が舞台の小説です。
大切な人の死をきっかけに、母親に連れられ東京から奥三河の集落に来た中学生の潤。
つらく、苦しい心を抱えながら同級生3人の学校に通い始めます。舞台となる澄川の自然の美しさや、全てを包み込むように受け止める人々のあり方に、心が洗われるような気持ちになります。
北沢鳴海は、タイムリープ能力の持ち主。彼はこの能力を使い、予選落ちしたピアノコンクールを何度もやり直していた。しかし、徐々に自分の才能に限界を感じ、タイムリープすることを止める。
すると、この能力を発揮するためのトリガーであり、密かに想いを寄せていた神崎杏子に衝撃の運命が待ち受けていたことを知ってしまう。
鳴海と杏子の恋の行方も見どころですが、碧南のおなじみのスポットがいくつもでてくるので、そこも注目しながら読んでみてください。
川遊びをしたことはありますか?
この本には、愛知県を流れる矢作川を舞台に、懐かしさを感じる川遊びの物語が3編収録されています。
表題作の「泣けない魚たち」は、主人公「さとる」と岐阜からの転校生「こうすけ」の二人だけの思い出のお話です。どこか大人びているこうすけの言葉には、考えさせられるものがあります。
無邪気な子ども達と子ども達を見守る大人達とともに、川遊びを通して、人の心を考える作品です。
田原市出身の児童文学作家、山田もとさんが描いた物語です。
主人公のおしまが田原大草に嫁ぎ、大正から昭和にかけて日々働き続けた姿が描かれています。
この時代は水を確保するため、自宅から離れた井戸まで毎日水汲みに行っていました。戦後は家庭用の水道や豊川用水ができたおかげで、水に困ることはなくなります。おしまは便利になった一方で、工事で失った大草の風景に寂しさを覚えます。
水があるのは当たり前ではないのですね。
岡崎市で生まれた武将・徳川家康(松平竹千代)が主人公の物語です。
各地の戦国武将の居城がロボットになり、武将たちがパイロットになって戦います。そんな突拍子もない話ですが、家康が仲間の死を乗り越え、恋をし、成長していく過程は読んでいて非常にワクワクするものがあります。いずれは天下に旗を立てて自分の存在を知らしめたいと願う家康ですが、果たして家康は望みを叶えることができるでしょうか。