ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!第8号のテーマは「いのち」
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 第8号* (冊子印刷用PDFファイル 1212KB)
04 人 と 人
愛する家族を事故で一度に失い、絶望の中で自殺まで考えた主人公ジョン。彼を救ったのは、友人から紹介されたリトルリーグの監督の仕事と、そこで出会った野球が下手なティモシーという少年だった。
野球が好きで何事にもあきらめないティモシーに、ジョンは亡くなった息子を重ね合わせ応援し、自らも生き生きと変わっていく。ティモシーの頑張りにチームも良くなっていくのだが…。
泣けてくるほど感動的で命の大切さを実感する物語。
表紙の絵をみているだけでおもわず笑みがこぼれます。
母がそっと見守る子どもの成長。
その時々に母の手と子どもの手がふれあう、そしてつながる。
そのぬくもりが、2人の記憶の奥底にきざみこまれます。
だから、帰ってきた青年は、その母の手をやさしくつつみこむことができるのです。
何て幸せであたたかいきもちになれる絵本でしょう。
言葉にあらわせない至福の時をあなたもあじわってみませんか。
「普通は、才能」。そんな風に思ったことはありますか?
グレースとティッピは腰から下がつながった結合双生児です。
二人で一人の体を不幸だと思ったことはないですが、周囲の目や成長するに従って膨らむ死へのリスクなど、彼女たちの生活は普通とは違っていました。
16歳になり初めて学校に通います。友だちや初恋を通し変化する生活は、彼女たちに大きな決断と別れをもたらします。
グレースの一人語りの詩で綴られる普通ではない女の子の生きる物語です。
遠野青児22歳(ニート)はある日、道に迷った先で古びた西洋館に辿り着いた。そこで、悩み相談をしているという西條皓(さいじょうしろし)と出会い、なぜか彼のもとで助手として働くこととなった。が、そこはただの悩み相談所ではなかった。
人の罪が化け物に見えてしまう青児と悩み相談という名の“地獄代行業”を営む皓が謎を解き、罪を暴いて、罪深き人々を地獄へと送ります。
シリーズ5巻まで出ているよ!
独裁者ヒトラーが権力を握っていたナチス・ドイツの時代にユダヤ人が強制収容所へ送られ、多くの人々が虐殺されました。その第二次世界大戦の実話をもとに書かれた絵本です。著者が聞いた話という形で始まり、写実的で繊細な絵とともに物語は進められます。
今、バーチャルの世界では手ごたえもなく命は消され、ボタン一つで簡単に生き返ることができます。地球上で戦争は無くなっていませんし、平和のはずの日本でも虐待で幼い命が失われ、短絡的な悲しい事件が続いています。
絵本ですが、戦争の残酷さ、悲惨さだけでなく、命の重みについて、そして今を生きていることについて深く考えさせられます。
夏芽は中高一貫の女子校に通う中学3年生。夏休み、横暴な父から逃げるようにサマーステイに参加した。田舎の古いお寺でサマーステイ。しかも参加者は夏芽だけだという。そこで出会った人たち、葉介(ようすけ)、5歳の雷太、ヤギたち。
様々な事情を抱えた人たちが揺れ動きながらも自分と向き合っていく物語。
有夢(ゆむ)と瑤子と海は幼馴染みの仲良し三人組。中学の合格祝いに買ってもらった自転車もお揃い、大好きなミュージシャンも同じリンド・リンディ。楽しいことはいつでも、三人一緒のはずだった。クラスであれが始まるまでは──。傷ついて、裏切って、追い詰められて。少女たちの孤独な魂(でも良心をひそかに温め合う)にそっと寄り添う物語。
読むのが辛い・怖い・痛い、でも目を逸らすことは出来ない
衝撃的な題名のこの本は、余命ゼロと宣告された著者が今までの人生を振り返りながら書いた手記です。さまざまな出来事が包み隠さず書かれています。余命宣告を受けた後に思ったことは、「ひとは生かされている」ということ。ひとは一人で生きているわけではない。いろんなひとと関わって生きている。だから感謝や思いやりを持ってほしい。
幸せは手に入れるものではなく、感じながら生きていくもの。それを生涯忘れないでいてほしいと…。
日々に忙殺され、自分にないものを羨み、人間関係にがんじがらめになって、少しずつじわじわと日常が苦しくなっていくことがありませんか?
ご飯をおいしく食べられること、どこへでも自分の足で歩いて出かけられること、大好きなおやつが食べられること。そんな当たり前のようなことがきらきらと輝いてみえて、自分の「いのち」が愛おしくなるようなお話です。
「頼られる存在でい続ける。一緒に本物を感じていたい。」
この本にはALS(筋萎縮性側索硬化症)患者さんの思いが文字となりつづられています。少しずつ体を動かすことができなくなっていく難病ALS。患者さんが思い悩み、現実と向き合った先で紡ぎだしたメッセージは、ふとした日常の大切さに気づかせてくれます。
この本を読み終えると不思議に「大丈夫」と勇気がわいてきます。
「うん。」きっと、まだまだできることいっぱいあるよね。
「いじめや友人関係の悩み」「恋愛の悩み」「家族の悩み」自信がない、落ち込みやすいなど「自分自身の悩み」の4つの悩みから、自分を助ける方法がのっています。
何が起きているのか考え、その出来事をどう感じたのか、そして自分がその出来事以降、どうかわってきたのか。「整理する」→「つながる」→「対処する」ことで一歩、悩みから抜け出せるかもしれません。
今、悩んでいるあなただけでなく、これからの時代を生き抜くための一冊です。
どうか、いのちを大切にしてください。
生まれつき、刺激や感情に人一倍「敏感な人」が約5人に1人いるらしい。なんだ、私だけじゃないのか。そう思うだけで少し楽になった。とはいえ、つらいものはつらい。実際は違うのに、人が話しているのを見て「私の悪口言ってるのかな…。」など。
多かれ少なかれ、誰でも“生きづらさ”みたいなものは抱えているのだろう。感情の正体を知り、必要な行動をすることで、少しでも生きやすくなればいいなと思う。
「あなたに会えて良かった生まれてきて良かった」名田綾子先生の『いのち』という曲集に入っている曲の一節です。私が苦しい時に旨にしている言葉がぴったりな本を紹介します。
『折れない心を育てるいのちの授業』です。大切な人の死、苦しむ人のためにできる事、1人で頑張りすぎない事、死と生き方についての物語です。筆者が伝えたい事を簡潔に書いたページもあります。
他人に自分に優しく尊敬できるようになりますように。
『包帯クラブ』聞いたことありますか? 昔2007年に映画化もされました。人はどんな時に死にたいと考えるのかな。今も世界には色んな傷が溢れてる。
傷ついた場所を包帯で手当てしてもらったら心が少し軽くなるかもしれない。
傷を認めてもらえたら心が少し強くなれるかもしれない。知らないふりばかりされるのではなくて…
この本は、戦わない形で、自分たちの大切なものを守ることにした途中報告書。未来の姿もときおり登場。