ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!第2号のテーマは「家族!」
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 第2号*(冊子印刷用PDFファイル 446KB)
03 家族って?
私の家族は、自殺未遂を試みて失敗した父、それを気にかけて家を出て離れて暮らす母、進学校を卒業したのに大学へ行かず、農業をして暮らす兄の直ちゃん、そして私の4人。ある朝、父さんが「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」と言いました。仕事を辞め、大学受験をするというのです。家庭崩壊しているようで元通りにはいかないけれど、みんなで朝ごはんを食べ、父さんは子どもたちを見守り、母さんは時々家にやって来て掃除をしたり夕飯を作ってくれました。私が落ち込んでいる時も、父さんや母さんは見逃しませんでした。心が寄り添う家族の物語。(半田市立図書館 まぬち)
父の跡を継ぎ医者になることを親戚中から期待されている明良。しかし、本当はプロのバスケットボール選手になりたいという夢を抱えていた。自分の気持ちをもて余しながら突入した中2の夏、ある事件をきっかけに、部活、友達、そして家族との関係が崩れはじめた―。自分で思っているものと、人から見えているものって違う。友達も家族も、みんな一人の人間として大切なものを抱えながら生きている。当たり前だけど見失いがちなことを気づかせてくれる作品。(安城市中央図書館 ひろ)
父は泥棒・母は詐欺・長男は文書偽造など様々な犯罪で生活する一家、日曜日を一緒に仲良く過ごす血の繋がらない父娘、借金の返済代わりに偽装結婚した夫婦、妹の抱える問題に皆で悩むばらばらになっている家族…いわゆる「普通」の家族ではない家族の短編集です。どの家族も色々な問題を抱えていますが、皆で悩んで解決しようと頑張る所に絆を感じます。血の繋がりだけが家族じゃないと読んだ後に思える作品です。(田原市中央図書館 みいこ)
誰よりも働き者で、たくさんの子どもに恵まれ、事業を成して称賛を浴びながらも、誰にも理解されず、家族にも嫌われた鼻つまみ者のサダ。美人でも、従順でも、善良でなくても、誰からも疎まれてもただ一人己が正しいと思うことを貫きとおすサダと、彼女に振り回される家族やご近所さんたち。はたして正しいこととは正解なのか。潔く、力強いサダの生き方と彼女を取り巻く人々の悲喜を描いた、まさに日本一の女の一代記です。(東栄町図書室 三橋)
瀬戸内海に浮かぶ島、冴島に住む4人の高校生の話です、が。シングルマザー、伝統的な網元の一家、父親にひっぱられてのIターン、島独特の「兄弟」などたくさんの「家族」のかたちが登場します。「子どもたちはいつか島を離れる。いつまでも家族一緒にいられるわけではない」ということが通常より強く意識される、島での暮らし。その中で様々な経験をしながら4人は過ごし、やがて巣立っていくことになります。「いってらっしゃい」「いってきます」そして「おかえりなさい」「ただいま」の言葉をしみじみ大切にしたくなる、そんな物語です。(名古屋市南図書館 弓)
どちらの「パンツのたたみ方」が正しいのかケンカしている両親。それって重要? くだらない? それとも…!?英語の教員から、大阪府立高校で初の男性家庭科教員になった南野さんは、いろいろな疑問を投げかけます。「ペットは家族だと思う?」「犬や猫は家族?」「カメも家族?」 家族って、好きな人とつきあうって、自立して生活するって、何だろう。日常の「当たり前」について、立ち止まって考えるためのヒントがつまっています。(犬山市立図書館 M)
小雪さんと裕子さんはレズビアンのカップルです。愛し合っている二人は結婚式を挙げ、やがて自分たちの子どもを迎えたいと思うようになりました。この本は、二人のママから、いつか出会う自分たちの子供に向けた、愛情溢れるメッセージです。同時に、「どうして子供がほしいの?」「どうやって偏見から生まれてきた子供を守れるの?」等、人々の様々な疑問に、一つ一つ丁寧に、穏やかに答えています。人生で困難に立ち向かう時、何が必要なのかを教えてくれる一冊です。(安城市中央図書館 杏)
チャールズは、4人家族ですが、母と姉にバカにされ、妹には思いやりを求められる生活にうんざりしています。母は結婚が趣味のような人で、3回結婚し、3兄弟の父はすべて違う人です。母も姉も妹も頭脳明晰なので、チャールズは劣等感と疎外感で今にも心が爆発しそうです。しかし、自分に干渉しない大人の男に出会い、心の拠り所を見出していきます。同性愛の芽生えに、チャールズは驚き、戸惑い、嫌悪しますが、現実から逃げ出さずに生きることを学びます。(東浦町中央図書館 C.N)