ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!創刊号のテーマは学校!
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 創刊号*(冊子印刷用PDFファイル 379KB)
04 なぞを解く
中学1年生の八木沢順は、両親の離婚により、刑事の父と家政婦のハナと3人で暮らしていた。そんなある日、近所の家で人
殺しがあったという噂がながれる。それと同時に起きたバラバラ殺人事件。2つの事柄は関係しているのか?真相を知るために、順は同じクラスの友人慎吾と共に捜査を始める。(碧南市民図書館 ごんた)
中学2年生の天野遥は数学が大嫌い。テストは毎回追試、数学のことを考えるのさえおぞましい。ある日、遥のクラスに転校生がやってきた。転校生の名前は神之内宙☆宙は転校初日、「特技は数学。将来の夢は、数学で世界を救うこと」と、トンデモあいさつをかます。そして、“ 数学屋” などという得体の知れないお店(?)を始めた。悩みを数学の力で解決するというものらしいのだが…?遥は宙のマイペースっぷりに振り回されながらも、少しずつ数学の奥深さを知っていく。「数学って何のために勉強してるんだろう?」とか「こんなの役に立つのかな?」とか思ってしまう数学を、遥と一緒に勉強しているような気持ちになってくる。これを読んで苦手な数学を克服しちゃう!?(岡崎市立中央図書館 落花生)
高校1年生のチナツは入学後最初の課題である友達づくりにつまずき、“ ぼっち” となってしまう。そんなときに出会ったのが、およそ高校生らしからぬ物腰でしゃべるマスノくんだった。マスノくんから怪しげな部活に勧誘され、恐る恐る部室に足を踏み入れてみると、そこにいたのは、自称女優や自称戦士、ネット越しの参加者スカイプさんといった超個性的なメンバーたちだった。マスノくんにしても、華道の次期家元にして探偵部の一人部長という、ちょっと変わった肩書きの持ち主。メンバーそれぞれが別の方を向き、全くまとまりのないTEAM☆BOTCHが日常に起こる謎に挑む。メンバーひとりひとりも面白いが、何よりチナツの冷静なツッコミが面白くってサクサク読めちゃうよ!!(岡崎市立中央図書館 落花生)
高校2年生・上田ひろみが通う都立辰川高は有名大学への高い進学率を誇るものの、生徒会が盛んで伝統行事を重んじる自由な校風の
元男子校だった。そんな高校で「女の子」として時折感じるかすかな疎外感。合唱祭に売り子を頼まれたことをきっかけに、ひろみは個性的なメンバーが集まる生徒会執行部、合唱コンクールで指揮者を務めた印象的な女子生徒に関わることとなり、合唱祭、演劇コンクールに体育祭という行事の裏で次々と起こる事件に巻き込まれていく。これ一作でも読めますが、中学3年生の上田ひろみの物語『これは王国のかぎ』を読んでからの方が楽しめます。(刈谷市中央図書館 すず)
雪の降る中校舎内に閉じ込められた、8人の高校3年生のクラス委員たち。学園祭最終日に学校の屋上から飛び降りて死んでしまったクラスメイトが誰なのか、どうしても思い出せないことに気づく。どういう現象なのかも解決する術もわからない中、仲間がひとり、またひとりと消えてゆく。この現象はいったい何なのか?そして彼らを招きよせた『ホスト』の正体は?(名古屋市南図書館 弓)
「おまえ、気づいてないだろうけど、命を狙われてるんだぜ」いきなりそんなことを言われたらどうする??モナミはちょっぴりドジ
な普通の高校2年生の女の子。突然現れた男にこう言われ、平凡だったモナミの日常は急変する。なんとモナミの学校で起こることが世界の大事件と同調(シンクロ) し、その中心にいるのがモナミだというのだ。走れば転び、ボールを蹴ればあさっての方向に飛んでいく、そんなモナミの数々のドジっぷりは、予想の斜め上を行くものばかり。けど、悪いところはちゃんと反省したり、きちんと謝ったりするからなんか憎めないキャラなんだよねぇ…。果たしてモナミは世界を守ることができるのか!?(岡崎市立中央図書館 落花生)
学校が舞台の3つのお話が収録されています。特におすすめは、地味グループである映画同好会の主人公たちが、図書館の君と呼
ばれる先輩に出演交渉をする『世界で一番美しい宝石』。引き受ける条件として、昔読んだきりの本の結末が知りたいと言われるの
ですがー。「学校は誰のためのものなのか」、主人公の問いかけが胸に響きます。3つのお話の小さな繋がりに気づいたときに、きっとこの本が大好きになると思います。(東海市立中央図書館 かなかな)
小学校の教員を退職した「わたし」。教員時代の思い出を妻に語るうち、様々な「疑問」が立ち上がってきます。あの生徒はあのとき、なぜあんなことをしたのだろうか?奥さんとの会話で、彼らの「感情」の謎が解かれていきます。読んだあと気持ちがやわらかくなる、はやみねかおるさんのミステリ短編集。小学校の話なんて、子どもっぽい?いえいえ、そんなことはありません。老夫婦の茶目っ気ある会話にも注目です。(犬山市立図書館 M)