【歴史】 職原鈔
- 書名 職原鈔(しょくげんしょう)
- 巻数 2巻
- 著者名 北畠 親房(きたばたけ ちかふさ)
- 成立 興国元年(1340年)
- 出版書写年 享和2年(1802年)写
- 数量 2冊 上:36丁 下:33.5丁
- 書型(寸法) 大本(29.6×20.5cm)
- 注記 書名は内題、外題(打付書)による。「日本古典籍総合目録」の統一書名は「職原抄」。著者名も「日本古典籍総合目録」による。成立年は国史大辞典等による。
- 内容 南北朝期の公卿北畠親房(1293‐1354)による日本の官職制度の解説書。当館所蔵本は、享和2年(1802年)に大須真福寺文庫所蔵本を書写したもので、尾張藩の御記録所(御日記所)の旧蔵本である。
職原鈔の写本には大別して、正平2年(1347年)源顕統の奥書を有するものと、一条兼良(1402‐81)の奥書を有するものの2系統があり、顕統奥書本系の方がより忠実に親房本の原型を伝えていると推測されているが、当館所蔵本の親本である真福寺本は、顕統奥書本系統を代表する写本の一つであり、天正4年(1576年)末から翌年正月にかけ僧日深が書写したものである。 - 序・跋・奥書等 上巻末に正平2年(1347年)10月、寛正5年(1464年)5月、文明14年(1482年)7月の奥書、および天正4年12月の奥書「于時天正丙子杪冬十日書写畢(後略)」あり。
下巻末に「于時天正丁丑春王吉旦書写畢/日深」の奥書(以上、親本真福寺文庫本の奥書を写したもの)。
下巻裏見返に「享和二年壬戌夏日以大須宝生院所蔵古写本繕写之」。 - 蔵書印等 上下巻とも表紙に「愛知県図書章」の印、「御日記懸り」「加」の貼紙、裏表紙に番号を抹消した蔵書票、「共弐冊」の朱書。下巻表紙に「第六門」の蔵書票、「文書課」の備品票、「五八九〇」の墨書。上下巻とも巻頭に「尾藩御記録所図書記」、「御日記懸」の印。
- 備考 表紙は雲母引き。
本文中の神名・人名には行の中央に、官職名には文字の左側に、国名・王朝名等には文字の右側に、元号には文字の左側に2本を引くなど朱引あり。また頭注あり。
尾張藩の御記録所は、藩や尾張徳川家の記録を編纂するため寛政2年(1790年)ごろ名古屋城内と江戸市ヶ谷の上屋敷に設置されたもので、編纂のために膨大な史料収集も行った。文政9年(1826年)に御日記所に名称が変更された。 - 文献 白山芳太郎『職原鈔の基礎的研究』(神道史学会,1980) 資料ID:1100280624 p157-281に「校訂職原鈔」(梅沢記念館所蔵本を底本とし、真福寺本も校訂に使用)あり。p46-47に真福寺本の書誌事項および奥書について記載あり。
- 請求記号 Wラ/A200 /キ2 /1-1~1-2