E生き物と一緒に

E生き物と一緒に
動物、昆虫、花・・。身近な存在でありながら、そこには私たちの知らない世界が広がります。 ちょっと覗いてみませんか。小説の中で活躍する動物もいたりして・・・

 図書館からのおすすめ本

ミャーロックホームズ 1〜3   津田 直美 作・画   河合楽器製作所出版事業部  
【あらすじ】
シャーロック・ホームズのパロディ絵本。猫の探偵ミャーロック・ホームズと助手のヨークシャーテリア・ワントソ君が事件に挑む。
【おすすめのポイント】
脱力系のホームズパロディ。なんともおかしな絵本ですが、細かいネタが満載でじっくり楽しめます。変でかわいい本です。
【こんな人にすすめたい】
・おかしなクイズが好きな人に。
・猫好き・犬好きの人に。
・ぬいぐるみが好きな人に。

イングリッシュ・ローズ(ガーデニング大好き!)   白砂 伸夫/著   講談社
【あらすじ】
イングリッシュ・ローズとは、イギリスのデビッド・オースティンによって、1961年に「コンスタンス・スプライ」を第1号として作出された、今までにない全く新しいタイプの薔薇…オールド・ローズの優雅な花容と豊かな香りを引き継ぎながら、モダン・ローズの四季咲き性と強健な樹性を兼ね備えた、きわめて魅力的な薔薇たちのことである。また、彩度が抑えられ、中間色が多いため、他の樹木や草花との調和がとり易いという利点がある。したがってこれからの日本の、コンパクトな庭やベランダでもその真価を発揮し、重宝されるであろう。この本では、それぞれの薔薇の特色を、美しいカラー写真でコンパクトに紹介・解説している。
【おすすめのポイント】
イングリッシュ・ローズを樹高別に分類し、そのなかでさらに、樹形をブッシュ型、シュラブ型、アーチ型に区分して解説しているので、実際に植物を育てている人、またこれから育ててみようと思う人にとっては、わかりやすく親切な園芸手引書となるであろう。またオールド・ローズについては、同じ「ガーデニング大好き!」シリーズで、「オールド・ローズ」(小山内健著,講談社,2004,開架627.77/オサ/859978)がでているので併せておすすめする。
【こんな人にすすめたい】
薔薇が好きな人…ことに耐病性のある新しい品種に興味がある人に。

オオカミ族の少年(クロニクル千古の闇 1)   ミシェル・ペイヴァー/作   評論社
【あらすじ】
“悪霊”にとりつかれた熊にやられて、大切な父さんが殺された。少年トラクは熊を倒すため、<天地万物の精霊>が宿る山をめざす。道連れは生まれて間もない子オオカミのウルフ。6000年前の森を舞台に、冒険の旅がはじまる。
【おすすめのポイント】
息もつかせぬ展開で、分厚い本ですがあっという間に読めます。食べ物や道具の乏しい森の中で、ひとりぼっちのトラク少年がどうやって生き延びるかというサバイバル部分も面白い。少年成長譚として読んでも今後のシリーズ展開が楽しみですが、何といってもこの本は犬好きのひとにすすめたい。子オオカミのウルフが愛らしくて、子犬を飼ったことのあるひとならメロメロになることうけあいです。ウルフとじゃれあうトラクが真剣に羨ましくなります。
【こんな人にすすめたい】
犬好きの方に。

ペンギン全種に会いに行く   中村 庸夫/著  平凡社
【あらすじ】
ペンギン全18種を南極大陸やガラパゴスまで訪ねた著者が、写真とともにその魅力を解説。
【おすすめのポイント】
薄い本ですが、ペンギンへの愛にあふれた写真が満載。見ているとペンギンに会いに行きたくなります。巻末には、日本の動物園・水族館のペンギン一覧が付いているので、南極まで行けない方も大丈夫です。
【こんな人にすすめたい】
ペンギンやカワイイものが好きな方。

ちび象ランディと星になった少年   坂本 小百合/著   文春ネスコ
【あらすじ】
動物プロダクションを興し「ゾウのいる自分の動物園を作りたい」という夢を持つ著者の息子の短くも象とともに歩んだ人生の物語。「ゾウ使い」になるためにタイへ留学し象の扱いを勉強し著者の動物プロダクションで働きながら動物トレーナーとして働いていた彼は「年老いたゾウの楽園」を作ることを夢見たが志なかばで交通事故により亡くなってしまう。
【おすすめのポイント】
最近映画となった物語であるが映画では表現されなかった部分も多い。「年老いたゾウの楽園をつくりたい」と思うに至った彼の考え方や彼のお葬式での動物達の描写。
【こんな人にすすめたい】
象好きな人
動物に関する職業に興味のある人

私の花美術館   塚本 洋太郎 著   朝日新聞社
【あらすじ】
日本人が親しんできた園芸文化とその特徴を、風土の影響を分析しながらやさしい語り口で解説。世界の花の美術が、いかに園芸文化とからみあっているかを、美しい写真入りで歴史的に紹介している。畜産国であるヨーロッパ諸国は、交配による育種が身についていたため、交雑育種によって新しい花色を作出した。また肉食であることと乾燥した気候の暮しから、花には香りを強く要求してきたのに対し、農耕民族であった日本では、明治以前には、非常に高いレベルの栽培・育種がおこなわれていたにもかかわらず、意図的な種間雑種はつくられなかった。また肉食が少ないため、香辛料の嗜好がなく、湿度が高いこともあって花に香りを要求することがなかったことなど、「花」を通じての切り口から、文化の本質的違いを知ることができるのは興味深い。
【おすすめのポイント】
とにかく花と美術と歴史を、同時に、そして立体的に楽しめる本。…たとえば、ツタンカーメン王の墓を発掘した時、王が手にしていた矢車草が、三千三百年の歳月を経てもなお青い色を留めていたことを見たのはただ一人、最初に玄室に入ったハワード・カーターだけであったこと。聖書の「野の花」は、百合ではなく、風の吹く時だけ開くといわれていた、エルサレム高地の自生種「アネモネ」であること等。また、マリー・アントワネットの肖像画から、王妃の手にしている薔薇の品種名を、園芸学者として科学的に推定してゆくプロセスは、まるでミステリー小説を読むのにも似て楽しい。
【こんな人にすすめたい】
花が大好きな人、歴史をちょっと違った角度から学びたい人、絵画や工芸に親しみを感じる人に。

サンゴ礁の生物たち   本川 達雄 著   中央公論社
【あらすじ】
サンゴ礁には非常に多くの生物が個性あふれる多様な生活をしています。それは熱帯の豊かな生産力と安定した環境と、そこに暮らす構成員の協力関係があるから成り立つのです。サンゴ礁がどのように形成され、そこを棲家とする動物たちがいかに共生しているのかをわかりやすく解説しています。
【おすすめのポイント】
"海岸にゴロンと転がっているナマコ。無防備で平和的に見えるな彼らが、サンゴ礁で生きていくための戦略は一風かわっています。 「ナマコの再生力は強い。パラオではタマナマコを二つに切り、中の腸を取り出して食べる。二つになった胴体は海に返してやるが、そうすると、二つの断片のおのおのがナマコになって、腸も再生する。」 "
【こんな人にすすめたい】
著者は「サンゴ礁を理解することは、南北問題を考えるのに必須」と言います。生物の多様性に興味のある方におすすめの本です。

自然の診断役 土ダニ   青木 淳一 著   日本放送出版協会
【あらすじ】
土の中には多種多様な生物の世界があります。木の葉を食べる、無害で愛すべきダニも住んでいます。土の中にどんなダニが生育しているのかを調べて環境診断に役立てようという、楽しい本です。
【おすすめのポイント】
自然のつくりは思ったよりもずっと複雑です。森の中で片足の靴の下にダニが1000匹もいること、百貨店の屋上にいるダニなど、一般にはあまり知られていないダニの生態には興味が尽きません。
【こんな人にすすめたい】
環境や森の生態を調べている方、ダニの暮らしぶりに驚きます。

虫の宇宙誌   奥本 大三郎 著   青土社
【あらすじ】
 著者はもともとフランス文学研究者。それをおっぽり虫三昧、昂じて昆虫採集学会を創立するやら、はたや、あの膨大なる『ファーブル昆虫記』の新訳をライフワークに立ち向かうなど、いまや虫博士の第一人者。
ですから、昆虫に関する著作は多数ありますが、一冊を推すとすると、この分野の処女作(?)でもある本書となります。数々の虫の話、虫について書かれた様々な書籍の話などが、アカデミックかつリリカルにつづられています。
【おすすめのポイント】
 ことに、収載の「昆虫図鑑の文体について」は白眉です。この本の基調になっているものは“虫への憧れ”。著者自身が根っからの虫屋(大人になっても虫取りの好きな人のこと)ですから、それが記述の隅々に漂っています。虫屋を自認する人にとってはワクワクする記述満載です。
【こんな人にすすめたい】
 ともあれ、本なんぞ読む暇があったら即フィールドへ飛び出しているのが、本当の虫屋です。が、たまには標本作りの手を休め、ひと時書斎のナチュラリストになってください。虫屋でない人には、同著者の『楽しい昆虫採集』(草思社1991)を入門編としておすすめします。

ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち 上   ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち 下   リチャード・アダムズ 〔著〕   評論社
【あらすじ】
ウサギの兄弟ヘイズルとファイバーは、禍から逃れるため、他数匹とともに群れを離れ新天地を目指し旅立ち、危険に満ちた旅を皆で乗り越え“ウォーターシップ・ダウン”にたどりついた。だが、雄しかいないので、パートナーの雌達を求め、手分けして新たな旅に出た。近くの農場や、ウーンドウォート将軍率いるウサギの大営巣地・エフラファの脅威など、待ち受ける困難や危険の中、ヘイズル達は作戦をたててエフラファから雌を数匹連れ出すことに成功した。しかし将軍の怒りをかうことになり、群れの存続をかけた全面闘争に発展してしまった。
【おすすめのポイント】
お話はウサギの視点で進みます。ウサギと聞けばかわいらしい様子を浮かべやすいものですが、この作品では、生き抜き子孫を残すために、たくましく生きる姿を見られます。皆で知恵を絞り力を合わせて進む姿を読んでいると勇気付けられます。
【こんな人にすすめたい】
●冒険物語が好きな小学校高学年くらいからの子どもたちに。
●子どもの頃こういうお話を読んだな、という思い出と一緒に物語を読みたい人に。
●たまにはまっすぐな話を読んでみようかという、大人の読者たちに。

ウォッチャーズ 上   ウォッチャーズ 下   ディーン・R・クーンツ 著   文芸春秋
【あらすじ】
トラヴィスは、森の中で出会った犬に〈アインシュタイン〉と名付け一緒に暮らしはじめた。知性と意志を感じさせる犬に対し、トラヴィスは半信半疑ながらも対話を試みる。犬が警戒する暗闇の奥にひそむ恐るべき"もの"とは…。
【おすすめのポイント】
犬の〈アインシュタイン〉の愛らしさや、読んでいてじれったくなるようなトラヴィスとノーラの恋愛も含め、物語の王道の面白さが味わえる作品です。
【こんな人にすすめたい】
どなたでも楽しめますが、犬が好きな人はより楽しめます。

うちのカメ   石川 良輔 著   八坂書房
【あらすじ】
昆虫学者の先生の家に35年暮らすカメがいる。長年一緒に暮らすうちにすっかり家族になったカメとの生活を先生が語る。
カメ学者による詳細な解説つき。
【おすすめのポイント】
スキンシップをはかったり、一緒にねむったり、従来のカメ飼育書とは一風変わったカメとの交流が描かれ、思わずカメが飼いたくなる。
日向ぼっこをしたり、ひざの上で眠る姿など、写真もかわいい。 "
【こんな人にすすめたい】
カメはなつかないと思っている人に。
動物を飼ってみたいと思っている人に。
ただただカメが好きな人に。

ブーツをはいたネコ   シャルル・ペロー 〔作〕  評論社
【あらすじ】
よく知られるペロー童話「ながぐつをはいたねこ」の絵本。
【おすすめのポイント】
いろいろなバージョンがありますが、この絵本の特長はなんといってもネコの毛並みのふかふかした感じ。短い足を一生懸命ブーツにおしこんでいる姿も愛らしいし、最後にのんびりねそべっているところもいかにもネコという感じで、ネコ好きにはたまりません。
ハンス・フィッシャーの躍動感あふれる絵が魅力の「長ぐつをはいたねこ」(1106974909)もおすすめです。
【こんな人にすすめたい】
猫が大好き、という人に。

動物の「超」ひみつを知ろう   ジュディス・ハーブスト 著   晶文社
【あらすじ】
動物の習性や、人間には真似の出来ない能力について紹介しています。
【おすすめのポイント】
絶滅してしまった恐竜や、未だ存在がナゾにつつまれている生き物についてもかかれています。

鼻行類   ハラルト・シュテュンプケ 著   博品社
【あらすじ】
核実験によって地上から消滅したハイアイアイ群島には、かつてある奇妙な生き物が生息していた―彼らこそ「鼻行類」と呼ばれる生物である。彼らはその進化の過程で鼻を異常に発達させ、鼻を使って歩行や跳躍、捕食・擬態すらできる不可思議な生態を持っていた…という、架空の生物の生態を克明に記録した「擬似」学術書。
【おすすめのポイント】
 「理論動物学」として、理論の中だけで発生・進化した生物の生態を綴ったものですが、そのあまりに珍妙な内容のため、和訳出版された当初は「本当にこんな奇妙な生物がいたのか!」と騒がれたほど。
学術書を模しているので、若干文章は読みにくいのですが、「もしかしたら、この世にあり得たかもしれない生物」として、その奇妙奇天烈な姿の挿絵を見ているだけで楽しいかもしれません。
【こんな人にすすめたい】
生命・動物に興味のある人へ、あるいはファンタジー好きの人へ。