A遠くへ行きたい
日常生活に追われ、ふと秋の空を見上げた。どこか遠くへ行ってみたいと考えたあなた。ウォーキング、鉄道の旅、果てはスケールの大きな冒険・・・。図書館の本で旅立ってみませんか。
九州・花の旅 栗原 隆司/著 大宰府顕彰会 【コメント】 東風吹かば匂ひおこせよ梅の花 と、太宰府の飛梅で案内が始まります。 唐津城の藤、湯布院の菜の花、など、九州各地を花々が彩ります。 花をめで、歌によむ。 この国の人々が、長生きになったのは、歳を重ねることで喜びが増すからかと思いました。 (清須市在住の方からのコメントです) |
線路のない時刻表 宮脇 俊三 著 新潮社 【あらすじ】 昭和55年、当時の国鉄が赤字のため、新しい鉄道線建設はなかなか進みませんでした。開通が待ちきれず、工事中の青函トンネルや瀬戸大橋など沿線をたどった架空の試乗記です。 【おすすめのポイント】 工事中の鉄道に時刻表を著者が自ら作ってしまうという発想には驚きます。沿線市町村の人口や観光地、高校の所在地等から旅客の流通量を予測し列車を設定する。そんな空想の旅行ができるのです。 本の発行から25年経って、収録された8線のほとんどが開通した現在では、著者の作った「国鉄非監修 開通見込不明」時刻表と現在の時刻表を比べる楽しみもあります。 【こんな人にすすめたい】 鉄道に限らず広く一般的に何かを作っていこうとしている人に参考になります。 |
チエのスペイン一人旅 熊崎 チエ 著 風媒社 【あらすじ】 20代の女性の1ヶ月にわたるスペイン旅行の体験記。 【おすすめのポイント】 ありきたりのパックツアーでないスペイン旅行(冒険に近い)の内容が面白い。 【こんな人にすすめたい】 旅行好きの人 |
213万歩の旅 : 東海自然歩道1343kmを全部歩いた! シェルパ斉藤 著 小学館 【あらすじ】 徒歩、自転車などの「スローな旅」にこだわるトラベルライター、シェルパ斉藤が東海自然歩道1343キロを歩いて旅する話。 【おすすめのポイント】 旅先でのハプニングや人との出会いが生き生きと描かれていて、思わず自分も旅に出たくなります。イラストも笑える。 著者の「シェルパ斉藤の行きあたりばっ旅」シリーズもおすすめです。 【こんな人にすすめたい】 元気になりたい人。気分転換したい人。 日常生活から逃避したい人。 |
風の王国 五木 寛之 著 新潮社 【あらすじ】 雑誌社の取材で奈良大阪県境の二上山を訪れた速見卓は、山上を信じられないスピードで翔ぶように歩く女と出会う。やがて速見はその「翔ぶ女」葛城哀と出会い、彼女の父が講主を務める「天武仁神講」の存在と、講がたどってきた過酷な歴史を知る・・・。 【おすすめのポイント】 五木寛之が『戒厳令の夜』でも取り上げた漂泊の民「サンカ」を題材とした小説で、現代の日本社会のあり方を批判的にとらえる重いテーマを持ちながら、読者をぐいぐいと引き込むエンターテイメント性も具えています。また随所に、歩くことに関する興味深い記述がみられます。 【こんな人にすすめたい】 歴史、民俗学、「サンカ」に関心のある人ももちろんですが、何より歩くことに興味のある方、歩くことが好きな方に、ぜひ読んでいただきたい本です。 |
センチメンタルな旅・冬の旅 荒木 経惟 著 新潮社 【あらすじ】 著者は写真家アラーキーこと荒木経惟。亡くなった妻、陽子との新婚旅行を 綴った「センチメンタルな旅」と、陽子が子宮肉腫で亡くなる前後の「冬の旅」からなる写真集。 【おすすめのポイント】 「センチメンタルな旅」はアラーキーの写真家としての原点と言われている 写真集です。「冬の旅」の写真には陽子への思いがあふれ、切なくて胸が詰まります。 【こんな人にすすめたい】 夫婦とは何か、愛とは何か、と考えている人に。 |
大和路雪月花 入江 泰吉 著 集英社 【あらすじ】 古都奈良・大和路を半世紀にわたり撮りつづけてきた写真家入江泰吉(いりえたいきち)さんのインタビュー形式の自伝。 【おすすめのポイント】 かつて近鉄の旅行用ポスターになった写真や、どこかでみたことがあるような風景、もう二度とみることができない風景が、著者撮影の何ともいえない温かみのある写真と語りから伝わってきます。他に『入江泰吉の奈良』、『昭和写真・全仕事シリーズ14 入江泰吉』、『大和路有情』 【こんな人にすすめたい】 日ごろの多忙さの中に少しだけオアシスをつくりたい人。また、これからの行楽シーズンに奈良方面にでかけようとする人。(萩の花で有名な新薬師寺の近くに著者作品所蔵の奈良市写真美術館があります) |
ひとたびはポプラに臥す 1〜6 宮本 輝 著 講談社 【あらすじ】 作家宮本輝が鳩摩羅什の軌跡を追って西安からパキスタンのイスラマバードに至るシルクロード6700キロを旅した記録を美しい写真とともに綴る。 【おすすめのポイント】 西暦350年ごろを生きた鳩摩羅什。作者は己にサンスクリット仏典の漢語訳を生涯の使命と誓い、それを成し遂げて生を終えたという歴史的事実に心とらわれる。いつか跡を歩もうと決心するがなかなかその機会は訪れなかった。しかし阪神大震災によって精神的にもキッカケを与えられた作者が、気温42度の、何もなく、ただそこで生まれてきて生きて死ぬ人間をみて感じたことを読んでほしい。 【こんな人にすすめたい】 長い旅に出たいけど出られない人へ。 |
パリジェンヌのラサ旅行 1 パリジェンヌのラサ旅行 2 A.ダヴィッド=ネール/著 平凡社 【あらすじ】 フランス人女性である著者は、1923年10月から1924年2月にかけて、巡礼者の姿で中国雲南省から当時鎖国をしていたチベットの国境を徒歩で越え、首都ラサにたどり着く。 【おすすめのポイント】 雄大な自然の描写、チベット諸地方の人々の暮らし・習慣の記録であり、数々の事件−標高五千メートルの大雪の峠越え、襲ってきた強盗を撃退など−によって変化に富んだ冒険物語でもある。 【こんな人にすすめたい】 野宿の旅をする人、冒険、探検好きな人 |
島の名前 中村 庸夫/文・写真 東京書籍 【あらすじ】 日本の島名にまつわる神話・昔話,島の名の由来や歴史を綴る. 【おすすめのポイント】 日本にある島がそのカラー写真(350点)とともに紹介されて大変参考になる。世界編あり。 【こんな人にすすめたい】 旅行好きな人、島国日本の歴史に関心にある方. |
ジス・イズ・ロンドン ミロスラフ・サセック/著 ブルース・インターアクションズ 【あらすじ】 一冊にひとつの都市を紹介する絵本シリーズ。この本はロンドンの色々な名所をイラストと文章で紹介しています。原本の出版年は1960年代と古いのですが、少し褪せた感じの色合いが又いい味となっています。巻末には紹介された場所が現在どうなっているかのちょっとした解説もついています。 他にもパリ、ロンドン、ニューヨーク、ヴェニスなどがあり。どれもお洒落で楽しい本です。 【おすすめのポイント】 とにかく絵がとても素敵。表紙を並べておくだけで楽しくなってしまいます。 【こんな人にすすめたい】 シックなものが好きな人に。 旅の気分を味わいたい人に。 |
漂着物探験 石井 忠/語り みずのわ出版 【あらすじ】 対馬海流が運ぶ漂着物を求めて、福岡県玄海灘沿岸を三十数年歩き続けた 著者への聞き書きをまとめたもの。 【おすすめのポイント】 「風と潮のローマンス」(副書名) 【こんな人にすすめたい】 海を愛する人 漂着物に興味のある人 浜歩きしている人とこれからしようと思っている人 |
時刻表昭和史 宮脇 俊三 著 角川書店 【あらすじ】 タイトルから想像されるような、鉄道史、時刻表史の概説書ではない。鉄道作家として知られる1926(大正15)年生まれの著者が、自身の幼年時代から敗戦に至る時期の鉄道体験を綴った記録。国会議員も務めた父親の後ろ盾があったとはいえ、「不要不急の旅はやめよう」といわれた戦時中に北海道へ九州へと出かけているのには驚かされる。 【おすすめのポイント】 鉄道という限られた切り口から、戦前・戦中という厳しい時代の世相を見事に浮かびあがらせています。中でも、山形県の小駅で「玉音放送」を聞く最終章が特に印象的であり、1997年に戦後の数章を加えた増補版も刊行されていますが、あえて元版をすすめます。 【こんな人にすすめたい】 鉄道が好きな人、戦前・戦中の日本に関心のある人に。 |