「プランゲ文庫」は、占領下の日本で刊行された出版物の貴重なコレクションです。
日本は占領期の最初の4年間(1945年9月〜49年10月)、連合国軍総司令部(GHQ)の厳しい検閲下に置かれ、新聞・雑誌・書籍・パンフレットなどあらゆる出版物が民間検閲所(CCD)に提出されていました。
この膨大な資料群の歴史的重要性を認めたゴードン・W・プランゲ博士(メリーランド大学教授で総司令部に勤務していた歴史学者。
日米開戦のドキュメント「トラ・トラ・トラ」の著者としても知られる)の尽力により、検閲終了後資料はアメリカに送られ、メリーランド大学図書館に収蔵されました。
のちに「プランゲ文庫」と呼ばれるようになるこのコレクションは、雑誌13,783タイトル、新聞 約16,000タイトル、図書・パンフレット 約82,000冊、地図 640枚、新聞写真3,600枚、ポスター 90枚からなっており、資料の中には占領下の検閲の実態を知ることができるものがあるばかりでなく、今では日本でも見ることのできないものも数多くあります。
当館では、「プランゲ文庫」雑誌コレクションのマイクロフィッシュ版のうち、愛知県内刊行分(351タイトル、マイクロフィッシュ1,232枚)を所蔵しています。戦後すぐに創刊された多くの雑誌や、各種政治団体、文化サークルなどの発行したガリ版刷りの刊行物、そして「カストリ雑誌」と呼ばれた粗末な娯楽雑誌に至るまで、様々な分野、形態の刊行物を網羅しており、当時の県下の文化、世相を知る上でも非常に貴重なものです。
『三河レポート』 2巻2号(1949年2月) |
『シスターズ』 昭和23年10月号(1948年10月) |
『すみれスタイル』 2巻1号(1948年3月) |
『新探偵小説』 5号(1948年2月) |
このマイクロフィッシュは、2階でご覧いただくことができます。なお、収録されている雑誌のタイトルについては、一般の蔵書検索では検索できません。下記のリストをご覧ください。
プランゲ文庫をもっと知るために、当館所蔵の資料をご紹介します。
愛知県図書館蔵書検索・国立国会図書館サーチのオススメキーワード例 |
「プランゲ」「占領期」「占領下」「検閲」「カストリ」 |
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