ビブリオバトルをご存知ですか?知的書評合戦ともいわれ、京都大学(現:立命館大学)の谷口忠大先生が考案し現在全国に拡大中です。図書館でも関西を中心に開催するところがここ数年増えてきました。本を通じてコミュニケーション力を鍛えるゲームです。ビブリオバトルには公式ルールがあります。 をご覧ください。 今回のテーマは「始める」。愛知県図書館でビブリオバトルを開催するのは初めてでもあり、同時に1階ロビーの企画展示「春から始める」にちなんで決めました。果たして人が集まるのか心配していましたが、開催の1週間前までに大学生から70才以上の方まで幅広い年代層の6名がエントリーしてくださいました。 |
会場は1階のAVホールです。いつもは名画鑑賞会などの会場として使っています。70人程度はいる会場はほぼ満席。参加者は普段から愛知県図書館を利用している方が最も多く、新聞やインターネットで開催のことを知って初めて来館していただいた方もいらっしゃいました。また、年代的に一番多かったのは40・50歳代の方で、ついで30代、高校生ぐらいの方から70代の方まで幅広い層の方が参加されました。 |
始める際にみなさんに「ビブリオバトルにこれまで参加したことがありますか」と手を挙げていただいたところ、ほとんどの方が今回初めて、ということで、まずルールの説明です。実は今回、発表してくださる方もみなさん初めてということでした。ルールの説明や、画面に表示されるタイマーや1分前に鳴るベルの使い方も説明しました。 |
順番はみなさんの前で、写真のようにくじ引きをして決めました。発表者の方はドキドキしたでしょう。どんな本が紹介されるかは、発表ごとにお知らせします。これは見ている方に「次はどんな本が紹介されるんだろう」という期待をもっていただくというビブリオバトルならではの趣向です。 |
次々に発表と質疑応答。今回一番若い大学生の方、ご自分でもタイマーを用意して時間いっぱい熱っぽく語っていただきました。また、大好きな作品の1番オススメの部分の朗読も説明のうちです。小説を取り上げた方は結末がわかってしまうとおもしろくなくなるということで、入念に準備されてきたようです。 |
発表している間に、本のタイトルなどをホワイトボードに書き出していきます。残り時間を表示する後ろのタイマーも気になりますね。右側の写真の方は『脳と体の動きが一変する秘密の「かけ声」』という本の紹介で、実際にかけ声をかけて立ち上がる実演をされました。実用書は「どんなことが役にたつのか」がみなさんの一番の関心事のようです。 |
質疑応答は発表の都度行います。このやりとりにビブリオバトルのおもしろさがありますが、会場から質問が最初はなかなかない。思いつくまま、たとえば「その本に出会ったきっかけは?」「実際試してみたか?」「どういう人にすすめてみたい?」「その作家の他の本と較べてどう?」などどんどん質問すればいいと思います。司会も質問をひねり出して、みなさんの質問がでる雰囲気づくりにつとめました。 |
すべての発表が終わりました。投票は挙手で行いました。チャンプ本の発表です。実演が印象に残った「脳と体の動きが一変する秘密の「かけ声」」が今回のチャンプ本になりました。チャンプ本に選ばれた方へは、当館特製オリジナルブックカバー(チャンプ本限定バージョン)を贈呈しました。最後に紹介された本をならべて会場で展示しました。 |
*****発表本は次のとおり(発表順)***************************
・『ほの国通信「足かけ十年」1996-2005総集編』東三河地方拠点都市地域整備推進協議会
2006.4
・『約束の日 安倍晋三試論』小川榮太郎著 幻冬舎
2012.8
・『ここに地終わり海始まる 上・下』宮本輝著 講談社 1991(単行本)1998(文庫本)
・『脳と体の動きが一変する秘密の「かけ声」』藤野良孝著
青春出版社 2013.2 ☆チャンプ本
・『北斗 ある殺人者の回心』石田衣良著 集英社 2012.10
・『定年後の8万時間に挑む』加藤仁著
文藝春秋 2008.1
参加者の皆様、どうもありがとうございました。次回は読書の秋に開催する予定です。お楽しみに!
☆☆☆☆☆参加者の皆さんの感想です☆☆☆☆☆
・「自分が読まないようなジャンルの本を知るきっかけの一つとしていいイベントだと思う。」 |